他の病気を引き起こすこともある変形性腰椎症
加齢により骨がつぶれているね。
と、言われたことはありませんか?
これを「変形性腰椎症」といいます。
では、骨がつぶれている以上腰痛は改善はしないのか?
いえ、そんなことは決してありません。
今回は「変形性腰椎症」がどんな病気を解説させていただきます。
■変形性腰椎症という病気
変形性腰椎症は、腰痛の原因のひとつとなる病気です。
腰痛の原因となる病気はたくさんありますが、その中でも特に加齢による変化が主な発症理由となる病気がこの変形性腰椎症です。
椎間板が加齢によって厚みがなくなったり傷んだりすることで、その周囲の椎間関節や靭帯組織にも変性が起き、結果として鈍い痛みやだるさなどの症状として体にあらわれるのです。
変形性腰椎症は性別によっては発症率に違いは起きません。早い人では30歳代から発症することもありますが、基本的には年齢を重ねるごとに発症率が上がり、50歳代でピークに達して以降はずっと高い発症リスクを抱えることになります。
椎骨や椎間板の老化は当然脊柱のどの部分でも起こるものですが、その中でも特に腰のあたりに痛みなどの症状が出やすいのは、元々腰は上半身の大きな重量を常に支えていること、可動域が広いためその分傷みやすいことなどが原因として挙げられます。他の部分と比べ特に負担が大きい箇所なので、自然と椎間板などに変性が起きやすくなるのです。
■変形性腰椎症が進むとまた別な病気に
変形性腰椎症の症状が進むと、さらに別の病気を発症することもあります。
変形性腰椎症が起き、椎体どうしがぶつかったり椎間関節がすり減ったりすると、関節の接触面の摩耗を補うため骨組織の生成が通常よりも活発になります。その結果骨の形成が過剰に促され、骨棘と呼ばれているものが前後にできてしまい、椎骨が変形していくことがあります。
その結果として、神経が圧迫され痛みやしびれが起こる他、脊柱菅狭窄症や腰椎すべり症など副次的な病気を発症することがあります。脊柱菅狭窄症は椎骨の変形により脊柱管という脊髄の通り道が狭くなることが原因で、腰椎すべり症は椎骨がずれて滑り出てしまうことが原因で発症します。
どちらも腰痛の原因となる病気ですが、これらの病気には変形性腰椎症が深くかかわっているケースがあるのです。
■変形性腰椎症の主な治療法
腰椎になんらかの変性が起きることは、年齢を重ねていれば当然のことでもあります。歳を取るとしわが増えたりするのと同じ、自然な老化のひとつです。
病気として問題になるのは、その変性の結果痛みなどの症状があらわれているケースです。変形性腰椎症の主な症状は痛みやそれに伴う腰の動かしにくさですが、変形性腰椎症の治療として行われるのはそれらの痛みを改善するための対症療法・保存療法と呼ばれるものが基本です。例えば飲み薬や貼り薬、マッサージや血行改善などで症状は治まることが多いです。
■まとめ
変形してしまったものはどうすることもできません。
ただ、
「では、どうして変形してしまったのか?」
を考えて変形してしまった背骨にかかっている負担を軽減させることができれば
痛みが改善することは十分可能です。